離反顧客は取り戻せる! アプローチすべき理由とその方法
一度顧客を獲得できても、「すぐに離れていってしまう」「なかなか定着しない」といった悩みを持つ方は多数います。このような課題を解決するには、「離反顧客」への理解を深め、適切なアプローチをすることが大切です。
今回は、離反顧客の概要や顧客が離反するおもな原因、離反顧客への有効なアプローチ方法などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
離反顧客とは「購入経験はあるが、現在は離れてしまった状態の顧客」のこと
初めに、離反顧客の概要を解説します。
休眠顧客との違い
離反顧客とは、自社商品・サービスを購入した経験があるものの、「再購入しない」「解約する」などして、自社から離れてしまった顧客のことです。
離反顧客と似た言葉に「休眠顧客」があります。休眠顧客は、以前は自社商品・サービスを利用していたものの、現在はまったく利用していない顧客です。
この説明だけ聞くと、離反顧客と休眠顧客は同じような意味に感じられるかもしれません。たしかに、双方を明確に区別するのは難しいですが、離反顧客は「商品・サービスに何らかの不満を持ち、すでに他社に乗り換えている」ケースが多いのがポイントです。
一方、休眠顧客の場合は、過去に利用していた商品・サービスにマイナスイメージは持っておらず、単に長期にわたって利用がない状態を指します。
本記事では離反顧客へのアプローチについて解説しますが、休眠顧客へのアプローチについては、以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。
離反顧客を取り戻すのは休眠顧客よりも難しい
休眠顧客は、自社商品・サービスについて単に忘れているだけの可能性が高いため、魅力をあらためて認識してもらえれば、再び長く利用してもらえる見込みがあります。
しかし、離反顧客はすでに他社に乗り換えており、厳密にいうともう「自社の顧客」ではありません。何らかの不満が他社へ乗り換えた原因となっているなら、その原因を見極め、解消する必要があります。
このような点から、離反顧客を取り戻すのは簡単ではないといえます。
顧客が離反するおもな原因は5つ
ここでは、顧客が離反してしまう代表的な原因を解説します。
企業と顧客とのつながりの薄さ
新規顧客の離反原因として多いのが、企業が顧客と一定の関係を築けないことです。
具体的に「◯◯という不満がある」というわけではなく、企業やブランド、商品・サービスに対する顧客の理解が浅く、愛着を持てていないのが特徴です。
そのため、2回目の購入のときには商品・サービスのことを忘れており、選択肢に入れてもらえません。
商品やサービスへの不満
商品やサービスへの不満も、代表的な離反原因です。例えば、次の例が挙げられます。
- 既存ラインナップではニーズが満たされない
- 在庫不足で必要なときに購入できない
- 高価格で費用対効果が悪い
- 欠陥や不具合が見られる
離反顧客は、このような不満を複数抱えていた可能性もあります。「トレンドに合う新商品が定期的に出る」「必要なときに確実に購入できる」など、競合他社の商品のほうが魅力的に感じられてしまうかもしれません。
顧客へのコミュニケーションに対する不安・不満
商品やサービスには満足していても、店舗での接客・コールセンター・カスタマーサービスなどでの顧客対応へ不満を抱いてしまうと、離反につながります。
また、ECサイトの使いにくさや、注文・解約方法のわかりにくさなど、商品・サービスの購入に関するやり取りの方法への不満も考えられます。
購入動機の消失
次の例のように、顧客の年齢や家族構成の変化、住所の変更などで、商品への需要がなくなるケースがあります。
(例)
対象商品 | 離反理由 |
---|---|
20代女性をターゲットとしている衣料品 | 年齢を重ね、デザインが合わなくなった |
一人暮らしの大学生・社会人向けの家電製品 | 結婚する・子どもが生まれるなどして、これまでの大きさや機能では不十分になった |
このようなケースでは、同一の商品・サービスで顧客を呼び戻すことは困難です。しかし、関連商品などを提案する「クロスセル」や、過去に購入した商品と同種でより高価格帯の商品を提案する「アップセル」のアプローチを試みる余地はあります。
金銭的理由
企業やブランド、商品・サービスに対する信頼や愛着はあっても、顧客が許容できる価格のラインを超えている場合、離反につながります。これは、先述した「高価格で費用対効果が悪い」という離反原因とは別物です。
商品・サービスの費用対効果には納得していても、顧客の生活環境が変わる・収入が減ることなどにより、その商品・サービスに割ける予算が減ることがあります。その結果、「欲しいけれど購入できない」といった状況になってしまうのです。
また、顧客のなかでの優先順位が変わり、ほかの商品・サービスの購入を優先してしまうことでも、同様に予算が減って離反が起こり得ます。
ただし、顧客自身の金銭的理由で離反したケースでは、商品・サービスへの信頼や愛着が衰えなければ、将来的に戻ってきてくれる可能性はあります。
離反顧客へのアプローチは新規顧客獲得より重要
売上の向上を目指そうとすると、どうしても新規顧客の獲得に目を向けがちです。
しかし、新規顧客の獲得は「認知してもらう」や「関心を高める」といった初期のアプローチから始まるため、時間やプロモーション費用がかさみます。ほとんどの業種で、新規顧客獲得コストはさらに上昇傾向です。
一方の離反顧客は、一度は商品・サービスを購入した経験があることから、新規顧客よりも少ないステップで購入を促進できます。すなわち、ゼロから新規顧客を開拓するよりも、離反顧客へのアプローチに力を入れたほうが効率的なのです。
離反顧客へのアプローチはDMが有効
コストを抑えて離反顧客を取り戻す方法としておすすめなのが、DMです。紙のDMは、離反顧客の手元に直接届けられるので、品質やデザインを工夫すれば関心を引けます。また、外から見えにくいDMは他社に真似されにくく、良いアイデアが生まれれば長く使い続けられます。
離反顧客は、商品・サービスに何らかの不満を持っていたり、商品・サービスの存在自体を忘れていたりすると考えられます。そのため、離反顧客へのDMでは、次のような工夫が重要です。
- 顧客の不満を解消するための改善点をわかりやすく説明する
- 商品サンプルや特別クーポンなど、顧客にメリットとなる内容を盛り込む
- 誕生日月や年末年始など、顧客が再び購入したくなるタイミングで発送する
ただし、離反顧客へDMでアプローチする際は、過度な売り込みをしてはいけません。離反顧客との関係性や前回購入時からの期間をふまえ、あくまで「ご挨拶状」や「詫び状」といった形で顧客へアプローチしてください。
DMについて理解を深めたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
また、DMの効果を高める方法として、手書き風フォントの活用もおすすめです。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
DMはテストも併せて行うべき
どの段階で「離反した」と判断するかは、会社や商材によって異なります。
まずは、商材ごとに離反率を数値化したうえで、年間の顧客数の推移に注目してください。離反数が増加した時期を特定できれば、離反につながる原因を洗い出しやすくなります。
また、地域によって離反率に差が出ている場合もあるため、離反原因や地域差を考慮し、DMの出し方(含むべき情報・発送タイミングなど)を変えなければなりません。
そこで、DMテストを繰り返してデータを分析し、自社に合う効果的なアプローチ方法を見つけていくことが大切です。
例えば、1年間に1回売れる浄水器カートリッジなら、前回購入から1年が経過する数ヵ月前にDMを出します。そのDMには、「水道使用量を削減するノウハウ」などの顧客を引き込める新しい情報を含めると、離反の防止にとても効果的です。
DMテストの具体的なやり方などについては、以下の記事をご覧ください。
対策が重要! 離反を防止するための4つの方法
商材によって差はあるものの、毎年30%程度の顧客が離反します。
一度離れてしまった顧客を取り戻すのはハードルが高いため、離反防止策も重要です。顧客の離反を5%減らせれば、利益が25%増えるといわれています。
ここでは、顧客の離反を防止するための方法を紹介します。
顧客のニーズや不満をヒアリング
消費者のなかには不便や期待外れを経験しても、企業に直接意見をいわないサイレントカスタマーが存在します。特に、日本人にはサイレントカスタマーが多いともいわれています。
すなわち、クレームが少ないからといって、顧客の不満が少ないとは限りません。企業が問題を認識するより前に、静かに顧客の離反が起きているケースが多いと考えられます。
顧客の離反を防ぐためには、先回りして対策することが肝心です。具体的には、アンケートを実施し、顧客のニーズや不満を直接ヒアリングします。その結果を、商品・サービスの改善や、顧客のニーズを反映した新商品の開発につなげてください。
カスタマーサポートの品質向上
「顧客が離反するおもな原因は5つ」の章で紹介したとおり、顧客対応への不満やECサイトの使いにくさなども、顧客が離反してしまうきっかけになります。
そのため、カスタマーサポートの品質向上策として、次のような方法を検討してください。
- オペレーターの対応を見直す
- FAQまでの動線の最適化など、ECサイトの利便性を向上させる
- チャットボットを活用し、迅速に回答を提供できるようにする
ニュースレターで顧客との信頼関係を構築
ニュースレターを定期的に発送し、顧客との接触頻度を増やすと、信頼関係を構築しやすくなります。
加えて、企業や商品・サービスに対する理解が深まったり、イメージが向上したりするため、顧客が離反しにくくなり売上が伸びていきます。実際に、ニュースレターを出したことで、顧客の離脱率を12%も減らした事例があります。
ただし、顧客が「しつこい」と感じてしまう・望んでいない内容のニュースレターは逆効果です。顧客にメリットのある情報を定期的に発信することや、双方向のコミュニケーションを重視することを心がけてください。
ニュースレターについて、さらに詳しくは以下の記事で解説しています。
優良顧客には特別なDM
業種・業態によって優良顧客の定義は異なりますが、一般的には次の2パターンがあります。
- 顧客のなかでも特に売上に貢献してくれる方
(購入金額が高い/購入回数が多い/購入履歴が長い など) - 売上とは関係なく間接的に会社の力になってくれる方
(ほかの顧客を紹介してくれる/意見を出してくれる/コミュニティを作ってくれる など)
このような優良顧客を選別し、特別なDMを送るなど、通常の顧客とは別にフォローすることが大切です。
会社にとって理想の顧客像を定義すると、ビジネスの方向付けもしやすくなります。
まとめ
顧客は、以下のような原因により自社から離れ、「離反顧客」となってしまいます。
- 企業と顧客とのつながりの薄さ
- 商品やサービスへの不満
- 顧客へのコミュニケーションに対する不安・不満
- 購入動機の消失
- 金銭的理由
離反顧客を取り戻すには、DMでのアプローチが有効です。顧客の離反を防止するための以下の方法と併せ、自社の施策に活かしてください。
- 顧客のニーズや不満をヒアリング
- カスタマーサポートの品質向上
- ニュースレターで顧客との信頼関係を構築
- 優良顧客には特別なDM
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