急成長の落とし穴

質問

私はある商品の通信販売をしています。
商品内容についてはご勘弁ください。
商品は参入がほとんどなく粗利が稼げる商品です。
ただ、問題点はリピートがなく、参入障壁が低い商品です。
価格は1つ7万円くらいからで、ほとんどの集客は
ホームページとお客さんからの紹介です。

今回の相談なのですが、この商品の販売拡大
をしていこうかどうか迷っています。
広告宣伝費をかけてDMや雑誌・チラシなども考えています。
今後の展開を含め、急成長による弊害等を教えてください。

回答

立派ですね。普通の起業家の人であれば
迷わず突き進むのが一般的です。
その結果、何も残らないか借金を抱えての
倒産などということもよくあります。

この問題は私の考えで話させていただきます。
多くの違う意見があると思います。
判断は経営者の仕事ですので、
判断材料の一つとして参考にしてください。

結論から言うと、○○さんの場合は
急成長しない方が良いと思います。
私が○○さんの立場でしたらそうします。
ただし、ライバルがある一定以上に増えてきたときには
一気に拡大して、価格競争が激しくなり
粗利が極端に減少してきたら次の展開か撤退します。

なぜ急成長しないかというと、
まず急成長することにより目立ちます。
当然ライバルもどんどん参入してくることが予想されます。
ライバルが多くなれば価格競争が起こります。
価格はどんどん下がり粗利が極端に減ります。
ここでリピート商材であれば、
新規顧客コストの低い顧客がたくさんありますので
戦うこともできるのですが、
リピートがない商品の場合にはそれができません。

次に急成長すると、固定費が極端に増えることがよくあります。
たとえば人件費、新しい人を入れることにより
今までは1人でできていた作業量が
2人・3人でやらないと追いつかないこともよくあります。

また、事務所や作業場をより大きな場所に
移転しなければならない場合も出てきます。
急成長している場合はこれでも全く問題がありませんが、
価格競争に巻き込まれ粗利が減り、仕事量が減った時には
思った以上の痛手になります。
そして中間管理職などの管理する人や、
会計処理の人などたくさんの間接的な人材が
必要になってきます。

次にキャッシュの問題です。
完全な前金制度であればよいのですが、
支払いよりも遅くなるような入金形態の場合には
売り上げが上がるほど、キャッシュがたくさん必要になってきます。
借入もどんどん増えていきます。
社長の仕事が、戦略を考えるのではなく銀行対策に
なってしまいます。

そして税金の問題があります。税金の前払いです。
急成長しているときにはまだよいのですが、
売り上げが落ちてくると大きく税金が
のしかかってきます。この負担は結構大変です。

しかし、価格競争が激しくなり始めたら
一気に売り上げをとり撤退または次の段階に
移るのも方法です。
目立たずに長く続けられそうにないときには考えてください。

ちなみにメディアボックスは前年度比で
135%以上拡大しないことをポリシーにしています。
急成長することにより、今までのお客さんに対する
対応が落ちることを一番恐れています。
そのおかげもあり、リピート率67%、
顧客紹介率が34%を頂いています。

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